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アドリブの力を考える

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 昨日のAtoZ道徳授業学習会で「アドリブの力」が話題となりました。アドリブというとやや語弊がありますので、即興的な対応力とでも言っておきましょうか。授業の中で、子どもたちと授業を創っていくと必ず必要になる力です。レールに沿った決まり切った授業展開になってしまうと子どもたちの心は離れていってしまい、教師のための授業になってしまいます。  しかし、この即興の対応力はどこから来るのでしょうか。皆さんも経験があると思いますが、簡単にできるものではなく、若いうちはどう対応してよいか分からない場面が多々あります。  先日、「BLUE GIANT」という映画を見てきました。JAZZのアニメーションです。すさまじい練習と音楽に対する真摯な取り組みから腕をあげた主人公ら3人がセッションを行います。その中でJAZZ特有の即興演奏が行われます。実にしびれるシーンです。  即興には、それなりの準備と経験、真摯な姿勢が必要なのだと強く感じます。  漫才師のナイツ塙さんは次のようにブログの中で語っています。  「 中学校から友達とお笑いコンビを組み出して、大学では歴史のある落語研究会に。ただ、当時の僕はまったく努力しないタイプでした。落研の先輩だったエレキコミックの今立進さんは朝までネタ作りに励んでいたのに、僕はステージでも ずっとアドリブばかりに頼っていて 、面白さの差は歴然。しかも、自分がやる気が出ないのを相方のせいにして、度々コンビを解散するという負のループに」  「守破離」という言葉があります。剣道で使う言葉ですね。若いうちにしっかりと「守」を極め、「破」という即興力やオリジナリティの世界へ入っていってほしいと願います。昨日の学習会で気になったので、長文にて紹介させていただきました。    
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 『ファーストアタック』  緊張の第1回!  今年から立ち上げたAtoZの新しい企画であるオンライン交流会を昨夜行いました。20時からという遅い時間帯からの開催でしたが、全国から30名近くの方にご参加いただきました。  とにかく和やか雰囲気の中でゆったりと道徳の授業づくりについて対話したいというのが私の思いです。苦手な方や若い方が安心して失敗や困難さをさらけ出せる場にしたいと考え立ち上げました。  昨夜は北海道の先生のご発表。素晴らしい授業実践というより、うまくいかなかった授業をプレゼンいただきました。率直な思いを語っていただき、最高の話題提供となりました。優れた実践を知ることも大切ですが、できない実践やうまくいかない実践から学ぶことも大切と考えています。  ブレイクアウトルームにもファシリテータを配置してゆったりと対話していただきました。経験豊富なファシリテータのおかげでかなり内容も濃いものになりました。参加されました皆さん、ありがとうございました。  次回は4月29日(土)20時からとなります。  この会のオープンチャットはこちらから↓

桜花学園大学との合同ゼミにて

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 本日の午後より、桜花学園大学の寺田ゼミとの合同ゼミを開催。  夏に続いて、今回が2回目。今回は桜花学園が主催者。4人のプレゼンターが幼保小の接続を中心にプレゼンをしてくださいました。     この写真のようにニュージーランドでは、幼児教育から大学教育まで一貫して探求的な学習が行われています。教師が中心にいるのではなく、近くで成長を見取り、支援をしていきます。あくまでもその子のペースで学びが続けられます。  一番驚いたのは、「ラーニング・ストーリー」です。学びの軌跡を先生が残しているのです。写真と記録で子どもの成長を残しています。これが上級学校に送られていくというのですから驚きです。結果だけを見る教育ではなく、プロセスを大切にし、こどもの「問い」を大切にする授業。  今日のプレゼンター、実に説得力があり素晴らしい!驚きました。刺激と元気をありがとうございました!

オンライン交流会のご案内

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   ”先生のための道徳授業づくり対話(cafe)」の第1回オンライン交流会のご案内です。  添付ファイルのように3月25日にオンラインによる交流会を行います。ミニ講座、話題提供、そして交流会と続きます。ブレイクアウトルームでは、金沢工業大学の平先生と山田がファシリテーションしますので安心してご参加ください。  すごい実践の発表ではなく、普通の授業の中から、どうしたらよりよい授業になるかを一緒に考えていきます。お休みの夜になります。お茶やアルコールをいただきながら、ゆっくり参加いただければ幸いです。ゆるい会ではありますが、参加者の皆さんに納得解があるよう頑張ります。参加をお待ちしています。 ★申し込みはこちらから https://docs.google.com/.../1FAIpQLScmqMUUvv0.../viewform...

先生のための道徳授業づくり対話(cafe)

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 新しいプロジェクトをスタートしました。  金沢工業大学の平先生と一緒に「先生のための道徳授業づくり対話(cafe)」とネーミングしました。  道徳の授業研究のセミナーや学習会はたくさんあります。AtoZ道徳授業学習会もその一つです。そうした学びの場では、優れた実践を眼にすることが多く、大変勉強になりますが、「あんな授業をしたい」という目標でしかありません。自分の足元を見つめることも必要になります。うまくいかない自分、苦しんでいる自分を見つめることも大切と考えました。  そこで、そうした様々な苦労や疑問、どうしたらよいかという葛藤を話し合う場を作りたいと考え、今回のような対話の場を作りました。悩みや苦しみを共有しながら、一歩前に進んでいけるエネルギーと学びを手に入れてほしいと思っています。  月1回のオンライン対話集会とオープンチャットで交流を促していこうと考えています。普通の先生たちが気楽に話ができる場を創出したいと思います。オープンチャットへの参加は以下のURLかQRコードからどうぞ。お待ちしております。 ★招待リンク オープンチャット「先生のための道徳授業づくり対話(cafe)」 https://line.me/.../t5P8qy8kmZIGLqbZCkLCvTSCYSsVDf1km5Txs... ★QRコードから

ベストミックス~「いしかわ道徳」の充実に向けて~

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  昨日は石川県庁におうかがいさせていただき、県の教育委員会の研修会の講師を務めさせていただきました。ここ数年、石川の道徳授業に関わることが増えてきており、参加された指導主事の先生方の顔もかなりの割合で分かるようになってきました。  さて、この日のテーマはICT活用。冒頭で3つのことを確認しました。  ①ICTは活用はあくまでも手段であり、目的ではないこと。  ②これまでの教育実践とICT活用のベストミックスであること。  ③予測困難な未来社会を生き抜くための主体的な生き方に関わるものであること。  以上の3点です。  実はベストミックスということを忘れてしまい、ICTを使っていれば「いい授業をしている」というような錯覚に陥っているような授業がよく見受けられます。子供たちは動かされているだけで、かつての教師主導授業と何ら変わっていない授業があります。特に今回の研修で主事の皆さんにお願いしたのは「対話」の大切さです。ICTが対話を促進するためのツールになるよう活用してほしいということをお願いしました。つまるところ、「対話」の指導ができないとICTも効果を十分に発揮できないということになります。ベストミックスという考え方を意識した指導をお願いしました。  さて、今回のお昼のお弁当、実に豪華でした!さすがは加賀百万石です。今年も「いしかわ道徳」に関わらせていただき、勉強させていただきます。

道徳学習へ

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 大学の講義が終わり、また学校現場の研修会も少なくなってきました。ようやく自分の研究の時間が確保される貴重な時期に入ってきました。次の論文テーマの方向性を決めていくために、久しぶりにI氏の書籍を読み返しています。 30 年ほど前に書かれた本ですが、実に心地よい。道徳学習という言葉を使い、それまでの道徳授業を気持ちよいほどに批判をしています。私が研究校で道徳を教えてもらった内容が全否定されています。当時、自分が抱いていたもやもややストレス、疑問を吹き飛ばしてくれる内容は、何度読んでも爽快さを感じます。   そして、その内容は、これからの道徳の授業づくりに大きな示唆を与えてくれています。今、頭の中には、いくつかの新しい構想が渦巻いています。 6 月の学会にはある程度形にし、論文作成にまで高めていきたいと思います。   言葉にすることで、自分の思いがはっきりしたものになってきました。自分自身の研究も Next Stage に入ります。

付き合うってどういうことですか?~第41回学習会~

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  「付き合うってどういうことですか?」  今日の模擬授業で使用した教材の中での中学生の発言です。この言葉を中心に授業が展開していきます。参加者の一人の方が、「ソクラテスなのか」というような象徴的な発言をされていました。下の教材分析図をご覧ください。この「チョコの行方」という教材、私は大きな変化がなく、最後に教材を貫く重要な問いが発せられる教材と捉えました。  ですから必然的に問題解決的な授業展開になるわけです。授業者の西本先生も同じ分析をし、「つきあうこと」から入り、「友達」との違いを考えさせる授業展開としました。「友情、信頼」を考えさせる授業です。なかなかナイスな授業展開です。さすがですね。  さて、山田ゼミは、この展開にp4c的な話し合いを導入してみました。今日の学習会で見ていただきましたが、いかがだったでしょうか。こうしたデリケートな話題にはぴったりの対話であると思います。もちろん学級には「セイフティ」が必要ですが。  今日の西本先生の授業には、ベン図が登場!アナログでしたが、かなり効果的でした。深化発問も数多く繰り出されて刺激的な授業でした。  私自身、かなり難しい教材であると考えていましたので、この教材を扱うときのヒントをたくさんいただきました。  本日はゼミを兼ねて学生も参加させていただきました。現職の先生の挑戦的な授業を見て、大きな学びがあり、大満足の表情で帰っていきました。参加されました皆さん、ありがとうございました。  

道徳の授業づくりABC(1) 共感がすべて

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 私の専門は道徳教育。  『道徳授業がうまくなる50の技」という本を明治図書から出版しています。道徳授業が苦手である方や経験の浅い先生に参考にしていただけることを願い出版されています。出版されてから3年が経ちますが、多くの方に読んでいただいています。このブログでは、その50の技を一つずつ紹介してまいります。もちろん不定期ですが…。  今日はその第1回目です。  「道徳教育は学級づくりと大きく関連している」というテーマでお話ししましょう。 道徳の授業は,そのほとんどが言語活動を中心として成り立っています。生徒相互,教師と生徒との対話を通じて,道徳的価値を深めていきます。生徒の発言なくして授業は成立しないと言っても過言ではありません。 学級の中には,誰もが安心して発言し,自由に対話ができる空間が必要です。学級の中に「安心感(セイフティ)」があることが,道徳の授業を進めていく上での重要なベースとなっています。     では,「安心感」は,具体的にどのようにすれば生まれてくるのでしょうか。それは,いわゆる 生徒指導の三つの機能を意識することです。  1 生徒との共感的人間関係をつくる…生徒の考えを受容  2 生徒に自己肯定感を与える…生徒の考えを認める  3 生徒に自己決定の場を与える…生徒の主体的活動を支援 この三つの機能を授業はもとより,学校生活全般に生かしていくことで「安心感」が生まれてきます。 とにかく「共感する姿勢」。これこそが学級づくりのベースであり、道徳の授業づくりのベースになります。 とにかく「聴くこと」。ここが出発点です。

【資料一覧】第41回AtoZ道徳授業学習会

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  明日(11日)は第41回AtoZ道徳授業学習会。 会場が一宮市立浅井中学校 になります。 14時スタートです。 オンラインの参加も大歓迎です。事前の申し込み無しでもまったく問題ありません。多くの方の参加をお待ちしています。関連する資料を下記に示させていただきます。 ①学習会案内 →  こちらから ②教材 →  こちらから ③指導案 →  こちらから  まもなくやってくる「バレンタイン」にちなんだ教材です。起承転結とはいかない意外に難しい教材です。さて、どんな模擬授業となるか楽しみです。  遅刻早退自由な学習会です。ぜひ、顔を出してみてください。

第41回 AtoZ道徳授業学習会

  岐阜聖徳学園大学 自主学習会             第 41 回 A to Z 道徳授業学習会   今回のテーマ= 生徒の生活に近い教材の授業づ くりについて考えよう! 今回の学習会は、「生徒の学校生活に根ざした生活密着型の教材を使った授業づくりについて学びます。生活に近いから考えやすい反面、意見が出しにくく、本音がでにくいという悩みを聞くことが多い教材です。今回は、こうした教材の扱い方について学んでいきましょう! ◆日 時  令和5年2月11日(土) 14時00分 ~16時30分   ◆会 場 ・ 一宮市立浅井中学校      ・ Zoom によるオンライン ★ Zoom の ID と PW ★ ID … 239 201 2203    PW … 5M04uP ◆内 容 ・教材研究& 模擬授業検討       ・ 参加費は不要です      ・お茶は持参ください        ★今回の内容について★ 生活密着型教材の授業づくりについて! 今回は、愛知県春日井市の西本壇先生が模擬授業を行います。生徒の生活に近い分、本音が出しにくいという心配があります。さて、西本先生は、どのような展開を考えてくるでしょうか。多くの方の参加をお待ちしています。 ■教材   「チョコの行方」(中1・教育出版) ■内容項目 「友情、信頼」? <ZOOM参加> ★ Zoom ミーティングに参加する★ https://us02web.zoom.us/j/2392012203?pwd=Tm51RklVV09sZkZDblVGOXZVQURVdz09

全てはカリマネから

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 先週の金曜日に小学校の特別支援学級の授業を拝見させていただきました。授業は生活単元で「そくばい会」を行っていました。子どもたちが作った様々なものが販売されていました。販売の仕方、金銭授受の仕方、接客、環境整備などを子どもたち自身が行います。約4年間、この学校の研究に関わってきましたが、実に嬉しい時間でした。研究の成果がしっかりと表れていたのです。”すべてはカリマネから”という言葉がぴったりではないでしょうか。以下は、同行したゼミ生の振り返りです。ここに集約されています。  先生方がカリキュラムマネジメントの考えを大切にし、地道に指導を重ね、道徳が子どもたちの学習や生活を支えていることがよくわかる授業公開でした。感謝。   ******* ******* ******* ★実際にそくばい会に参加したり、研修会に参加させていただいたりして、色々なことを学ぶことができました。  特に長期的な子どもたちの成長を考え、授業研究をされている先生方の姿と、適材適所という言葉が心に残りました。  まず、先生方が子どもたちの性格を知り尽くし、それらの姿から、道徳の授業や国語の授業、議論をする時間などを計画されていることに感銘を受けました。ただゴール(目標)に向かって一直線ではなく、3年後を見据えて、道徳の授業やその他の授業、休み時間などでも関わり、支援されていました。そくばい会では、子どもたちが輝いた目で、見知らぬ私にも「いらっしゃいませ。いかがですか。」と丁寧に接客をしてくれました。その接客は、ただの指導だけではできず、気持ちについて考えたり、言葉遣いを知ったりする時間があることによって、少しずつ身についているため、長期的に計画をして支援していくことは改めて重要であると感じました。 ★… 3つ目はカリキュラムマネジメントとはなにかであったり、総合的な学習での学び方のサイクルは道徳と一緒であったり、様々な他教科と結びつけながら学習していく魅力を感じた。特に私は保健体育の免許取得を目指しているため、保健体育での道徳との境目の難しさ等も実感したことがあるが、例えば、保健体育のがんの学習のところで、がんの基礎知識を子供たちに知って貰うことで何に繋げたいのか。子供たちに何を分かってほしいのかを意識して授業展開をすることが保健の授業が「雨降り保健」にならないために必要なことだと私自身は考えて

スタートにあたって

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 ブログを立ち上げました。  「AtoZ道徳教育研究室」というような厳めしいネーミングにしました。AtoZは自分の学習会の名前をとりました。初歩から深いところまでを網羅した学びを実現したいという思いです。  これから、このブログも活用しながら、学習会や授業に関わる情報等を伝えていければと考えています。皆さんの道徳教育推進の一助になることを願って、このブログをスタートさせていただきます。